登場作品
『十訓抄』
第1 人に恵を施すべき事 1-21
御帳台で犬が子どもを産んだので、驚いて大江匡衡に尋ねた。すると匡衡は、「『犬』の字は『大』の右上に点を打つが、この点を『大』の上につければ『天』になり、下に打てば『太』になり、つまり、『太子』とも『天子』とも読める。したがって、太子が産まれて天子になるという吉兆です」と答えた。はたして後に皇子(敦成)が産まれ、後一条天皇となったのだった。
関連する人物 一条天皇 清少納言 紫式部 赤染衛門 和泉式部 小式部内侍 伊勢大輔 高階貴子 相模 出羽弁 小弁 馬内侍 江侍従 新宰相 兵衛内侍 上東門院中将 藤原斉信 藤原公任 藤原行成 源俊賢 良源 寛朝 円融天皇 小大君 大江匡衡 藤原道長 藤原有国 大江匡房 藤原頼通 源師房 藤原清隆 丹波雅忠 允恭天皇
第1 人に恵を施すべき事 1-23
琴を弾く人が、新参の女房として出仕した。そこで紫式部に、「この人に琴にちなんだ名を付けなさい」と命じた。紫式部が「いわこす」という名を付けたので、大変褒めた。
「いわこす」というのは琴柱の先の緒が当たるところのことで、その名を知る人はめったにいなかったという。
関連する人物 紫式部