相模 さがみ

生没年不詳。平安時代中期の歌人。源頼光の娘。夫が相模守を務めたことから相模と呼ばれる。夫と別れたのち出仕して、歌合で活躍した。藤原定頼との恋愛をはじめ、恋多き女性だったといわれる。

登場作品

『小倉百人一首』

65 恨みわび ほさぬ袖だに あるものを 恋にくちなむ 名こそ惜しけれ

<あなたのつれなさを恨み悲しみ泣き濡れる衣の袖は、涙で乾く間さえないというのに。浮き名が流れ、後ろ指をさされ、笑い者になる、私のこの名の悔しさ>

後拾遺和歌集巻第14恋4・815より。「名」には「名声・評判」といった意味があり、恋にまつわる噂が立ってもの笑いのタネになることを「名こそ惜しけれ」といった。