登場作品
『枕草子』
第89段 無名といふ琵琶
妹の原子とともに定子のもとを訪れたときに、原子が、亡き父道隆からもらった風情のある笙の笛が自分の手元にある、と話す。そこで、自分が持っている琴とその笙を交換しようと持ちかけたが、スルーされた。笙の名が「いなかへじ(いやよ、取り換えません)」というものだったので、それにちなんで暗に「取り換えない」という意思を示されたのだが、隆円自身は笙の名を知らなかったので、原子を恨めしく思った。
妹の原子とともに定子のもとを訪れたときに、原子が、亡き父道隆からもらった風情のある笙の笛が自分の手元にある、と話す。そこで、自分が持っている琴とその笙を交換しようと持ちかけたが、スルーされた。笙の名が「いなかへじ(いやよ、取り換えません)」というものだったので、それにちなんで暗に「取り換えない」という意思を示されたのだが、隆円自身は笙の名を知らなかったので、原子を恨めしく思った。