藤原道雅 ふじわらのみちまさ

  • 左京大夫道雅 さきょうだいぶみちまさ
  • 松君 まつぎみ

992~1054。平安時代中期の歌人。藤原伊周の息子。父の失脚で出世が望めない立場にあった。三条上皇の皇女で伊勢神宮の斎宮を務めた当子内親王と道ならぬ恋に落ちたが、発覚して上皇の怒りを買い、仲を引き裂かれたといわれる。そういった事情が重なってか粗暴なふるまいが目立ち、荒三位と呼ばれた。

登場作品

『小倉百人一首』

63 今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで いふよしもがな

<あなたへの思い、きっぱりと断ち切ります。ただせめてそのことを。そのことだけを。人づてではなく自分の口で、あなたにお目にかかってお伝えする。そんな手段があったなら>

後拾遺和歌集巻第13恋3・750より。当子内親王との道ならぬ恋が発覚したあとに詠んだ歌という。内親王には監視の者が付けられ、逢うことが叶わなくなってしまった。思いを伝えたくても伝えられない切実さにあふれた歌。

『枕草子』

第100段 淑景舎、春宮にまゐりたまふほどの事など

叔母の中宮定子と東宮妃原子、さらに祖父母が集まっているところに、父・伊周に連れられてやってくる。かわいらしい物言いで、祖父の道隆はじめ、みんなにかわいがられる。

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第260段 関白殿、二月二十一日に、法興院の

祖父・藤原道隆が積善寺で行った一切経供養に参列。父・伊周の桟敷から中宮定子やおつきの女房たちの中に連れてこられたが、気に食わないことでもあったのか、わんわん泣き出した。

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