三条天皇 さんじょうてんのう

  • 三条院 さんじょういん

976~1017。平安時代中期の天皇。在位1011~1016。冷泉天皇の皇子。一条天皇の譲位にともなって即位するも、全盛期にあった藤原道長とたびたび対立した。道長の圧迫と自身の病もあって、やむなく道長の娘・彰子の産んだ皇子(後一条天皇)に譲位した。

登場作品

『小倉百人一首』

68 心にも あらでうき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな

<こんな憂き世、さほど長く生きていたいとも思わない…。けれど心ならずも生き長らえるのならば、そのときにはきっと恋しく思われるのだろう。この夜更けの美しい月>

後拾遺和歌集巻第15雑一・861より。体調を崩し、天皇の位から退くことを決めた頃に詠んだ歌という。明るい行く末を思い描くことができない沈んだ思いがうかがえる歌。