藤原師実 ふじわらのもろざね

  • 京極大殿 きょうごくのおおとの

1042~1101。平安時代後期の公卿。藤原頼通祇子の息子。白河天皇の関白、堀河天皇の摂政などを務め、太政大臣まのぼった。詩歌・音楽などの諸芸に優れていた。

登場作品

『宇治拾遺物語』

巻4-8 60話 進命婦、清水詣の事

母・藤原祇子(進命婦)は清水寺の老僧の功徳によって藤原頼通に寵愛され、長じて摂政・関白、皇后、天台座主(天台宗のトップ)となる子どもたちを産んだ。このうち摂政・関白となったのが藤原師実である。

関連する人物  藤原祇子 藤原頼通 藤原寛子 覚円

『十訓抄』

第1 人に恵を施すべき事 1-24

白河院が宇治(にある師実の別荘?)に御幸したときのこと、たいそう盛り上がったので、院にもう一日逗留することをお勧めした。しかし、「都は宇治の北にある。明日都に戻るのは、方塞がりで差し障りがある」ということで難色を示された。師実が残念に思っていると、藤原行家が、喜撰法師の「都のたつみ」の歌を引いて、「宇治は都の南ではないから、差し障りはありませんよ」と言った。院は、それならばと逗留を決めた。師実は行家を称賛した。

関連する人物  藤原行家 白河天皇