喜撰 きせん

  • 喜撰法師 きせんほうし

生没年不詳。平安時代前期の歌人。六歌仙の一人。宇治山(京都府)に隠れ住んだ僧侶といわれるが、経歴は不明。伝説的な人物と考えられる。仙人になったという逸話もある。

登場作品

『小倉百人一首』

8 わが庵は 都のたつみ しかぞすむ 世をうぢ山と ひとはいふなり

<私の庵は都の東南、宇治山に。ほれ、このとおり、心穏やかに住んでいます。それなのに世間の人たちは、私が世を憂しと思って隠れ住んでいるとウワサするそうな>

古今和歌集巻第18雑下・983より。「たつみ」は東南の方角のこと。「うぢ」は地名の「宇治」と「憂し(つらい)」の掛詞。喜撰の作として伝えられる唯一の歌である。