藤原兼通 ふじわらのかねみち

  • 堀河殿 ほりかわどの
  • 堀河中将殿 ほりかわちゅうじょうどの

925~977。平安時代中期の公卿。藤原師輔の息子。兄に伊尹、弟に兼家がいる。伊尹が死去したあと、関白になったが、この前後、兼家と兄の後釜を争い、兄弟仲が悪かったといわれる。

登場作品

『宇治拾遺物語』

巻11-1 124話 青常の事

源邦正という人物は顔色が青白いことから、殿上人たちに「青常の君」とあだ名されている。それを知った村上天皇は、殿上人たちをとがめる。そこで彼等は「青常の君」と呼ぶのをやめようと誓い、もしも誓いを破ったら、その者が酒をおごることにした。その誓いを真っ先に破ってしまった人物が兼通(堀河殿)である。しかも罰として開いた酒宴の席では、自分はもちろん従者にも青い衣を着せ、酒を入れた瓶や、肴として出した食べ物や皿や盆など、あらゆるものを青尽くしにして人々を迎えた。邦正を嘲って悪びれることのない様子が描かれる。

関連する人物  源邦正 村上天皇 重明親王