天智天皇 てんじてんのう

626~671。飛鳥時代の天皇。在位668~671。即位するより前に、皇太子の立場で政治をとった時期がある。中臣鎌足とともに蘇我氏を倒し、政治の改革に着手。戸籍や法律を作成して国内の体制を整えた。

登場作品

『宇治拾遺物語』

巻15-1 186話 清見原天皇、大友皇子と合戦の事

天智天皇の御子が大友皇子である、と紹介される。自身が病に倒れたことをきっかけに、息子の大友皇子と弟の大海人皇子との争いが起こった。

関連する人物  大友皇子 十市皇女 天武天皇

『小倉百人一首』

1 秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ

<秋の田の傍らに作った仮小屋の屋根を覆う苫の目が粗いので、中で番をしている私の袖は、夜露に冷たく濡れてしまった>

後撰和歌集秋歌・302より。もとは詠み人知らずの歌であったものが天智天皇の作とされたとも、天皇が農民の苦労を思いやって詠んだ歌ともいわれる。苫は、スゲやカヤといった植物で編んだむしろ。

『十訓抄』

第1 人に恵を施すべき事 1-2

母の皇極天皇の喪に服した際に、皮がついたままの木=黒木の丸木で建物を造ったので、その建物は木の丸殿と呼ばれた。黒木の建物は民の手をわずらわさず、倹約ができる。大嘗会のときに黒木の建物を建てるのは、天智帝の木の丸殿を先例としているという。

関連する人物  醍醐天皇 藤原斉信 藤原公任 藤原定頼