藤原定頼 ふじわらのさだより

  • 定頼中納言 さだよりちゅうなごん
  • 権中納言定頼 ごんちゅうなごんさだより

995~1045。平安時代中期の歌人。藤原公任の息子。美声で読経に優れ、書にも才能を発揮した。

登場作品

『宇治拾遺物語』

巻3-3 35話 小式部内侍、定頼卿の経にめでたる事

恋人の小式部内侍のもとを訪れたが、あいにく、恋敵である藤原教通が来ているところだった。そこで、帰ると見せかけて、経を読みながら辺りを往復し、小式部をうっとりさせた。

関連する人物  小式部内侍 藤原教通

『小倉百人一首』

64 朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木

<ほのぼのと夜が明けるころ、宇治川に立ち込める霧が途切れ、途切れて、浅瀬に仕掛けられた網代木が現れてきた――>

『千載和歌集』冬・420より。冬の早朝の景色を詠んだ歌。網代とは魚を捕る仕掛けで、宇治川では冬に氷魚(ひお=鮎の稚魚)を捕るために仕掛けられた。網代を仕掛けるための杭が網代木。

『十訓抄』

第1 人に恵を施すべき事 1-2

大内裏の中の清暑堂という建物で御神楽を行ったときに、藤原斉信と公任が拍子をとり、それに添えて「朝倉」という歌を歌った。「朝倉」はめでたい曲なので、歌の上手な人が歌うものだという。

関連する人物  天智天皇 醍醐天皇 藤原斉信 藤原公任