藤原忠通 ふじわらのただみち
- 法性寺殿 ほっしょうじどの
- 法性寺入道前関白太政大臣 ほっしょうじにゅうどうさきのかんぱくだいじょうだいじん
1097~1164。平安時代後期の公卿。藤原頼長の兄。鳥羽・崇徳・近衛・後白河の4代の天皇の間、摂政・関白を務めた。父・忠実や弟・頼長と対立し、保元の乱で争った。書に優れ、詩歌にも才能を発揮した。
登場作品
『宇治拾遺物語』
巻5-6 75話 陪従清仲の事
陪従の清仲に春日大社の祭りで奉納する神馬を届ける役目を命じた。清仲が無事に務めを果たすと、褒美に神馬を与えた。清仲がおどけたしぐさと言葉で喜びを表したのでおもしろがった。
巻8-2 100話 下野武正、大風雨の日、法性寺殿に参る事
強風と大雨で屋敷が被害に遭ったが、下野武正が復旧のために働いているのを見て感心し、褒美に馬を与えた。
関連する人物 下野武正
巻15-3 188話 賀茂祭の帰さ、武正・兼行を御覧の事
『小倉百人一首』
76 わたの原 漕ぎ出でて見れば ひさかたの 雲居にまがふ 沖つ白波
<広い広い大海原に漕ぎ出して眺めると、白い雲と見まごうばかりに立つ沖の白波>
詞花和歌集巻第10雑下・380より。崇徳天皇の前で、「海上遠望」という題で詠んだ歌という。雄大な海上の風景を描いた歌。「ひさかたの」は「雲」にかかる枕詞。