源成信 みなもとのなりのぶ

  • 権中将 ごんのちゅうじょう

979~?。平安時代中期の役人。致平親王の息子。藤原道長の養子。要望に優れた人物だったという。

登場作品

『枕草子』

第10段 今内裏の東をば

背の高い梨の木を見て、その枝を扇の骨にして背の高い定澄僧都に持たせたいと言ったり、本来、丈を長く仕立てる袿について「定澄僧都に袿なし」と言ったりして、清少納言に「うまいことを言う」と感心される。

関連する人物  定澄

第256段 成信の中将のこと

人の声を聴き分けることに長けていて、どんなにかすかな声でも、これがだれの声と見事に聴き分けたという。

第274段 成信の中将は、入道兵部卿宮の御子にて

男前でおもろしみのある人物だった。中宮定子のもとにもよく出入りし、思ったことはざっくばらんに話す人でもあった。
伊予守兼資の娘とかつて恋仲であったが、この娘が父親の任地である伊予に同行することになった。そこで、出立するという前日の晩に、別れを告げに会いに行った。
また、ある晩、清少納言を訪ねていったものの、彼女は既に寝てしまったあとだった(実際には、出ていくのを面倒くさがった清少納言が寝たふりをきめこんでいた)。そこで、取次ぎに出てきた女房を相手に暁まで話し込んで帰っていった。

関連する人物  致平親王 源兼資 藤原定子