伴善男 とものよしお
- 伴大納言善男 ばんのだいなごんよしお
809?~868。平安時代前期の公卿。才知弁舌に優れた人物として大納言の位までのぼったが、応天門が炎上した際に放火した犯人とされ、伊豆(東京都)へ流された。
登場作品
『宇治拾遺物語』
巻1-4 4話 伴大納言の事
佐渡国の郡司に仕えていたとき、西大寺と東大寺をまたいで立つ夢を見た。そのことを妻に話したところ、妻は夢を占って「あなたの股が裂かれるということでしょう」と言った。郡司もまた人相を見るのに優れた人だったが、この一件を聞き、「おまえはたいへん高貴な地位にのぼる夢を見たのだ。しかし、まずい人にそれを話してしまった」と告げて、善男の行く末の暗いことを予見した。年月が経ち、果たしてそのとおりになってしまった。