伴善男 とものよしお

  • 伴大納言善男 ばんのだいなごんよしお

809?~868。平安時代前期の公卿。才知弁舌に優れた人物として大納言の位までのぼったが、応天門が炎上した際に放火した犯人とされ、伊豆(東京都)へ流された。

登場作品

『宇治拾遺物語』

巻1-4 4話 伴大納言の事

佐渡国の郡司に仕えていたとき、西大寺と東大寺をまたいで立つ夢を見た。そのことを妻に話したところ、妻は夢を占って「あなたの股が裂かれるということでしょう」と言った。郡司もまた人相を見るのに優れた人だったが、この一件を聞き、「おまえはたいへん高貴な地位にのぼる夢を見たのだ。しかし、まずい人にそれを話してしまった」と告げて、善男の行く末の暗いことを予見した。年月が経ち、果たしてそのとおりになってしまった。

巻10-1 114話 伴大納言、応天門を焼く事

応天門に放火して左大臣・源信に罪を着せ、自分がその座に取って代わろうと画策した。ところが、放火の現場を目撃した者がおり、その者の証言から事が露見して流罪となった。

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