紀用経 きのもちつね

伝不詳。

登場作品

『宇治拾遺物語』

巻2-5 23話 用経、荒巻の事

左京職の第四等官、つまり、下っ端の役人であることが語られる。長官はうだつの上がらない老上達部だが、上司なので、日頃から何かとご機嫌をとっていた。あるとき、宇治殿こと藤原頼通邸で鯛の荒巻を手に入れたので、長官に差し上げようと考える。長官の屋敷で得意満面に荒巻の包みのわらを切ったところ、中からは鯛ではなく、古びた草履やら沓やらが出てきた。どうやら頼通邸の若い侍たちが、いたずらで中身をすり替えたのだった。用経は散々に恥をかき、長官のもとを逃げ出した。しかし、誰からも同情されず、かえって笑い者になったのだった。

関連する人物  源頼親 藤原頼通 義澄