765~823。平安時代前期の官人。薬子の変のとき、初めは平城上皇についていたため捕らわれたが、その武勇を惜しんだ坂上田村麻呂の献言で許された。のちに征夷将軍に任じられ、田村麻呂とともに蝦夷征討に功を挙げた。
ここに登場するのは文屋綿麻呂の子孫で余吾大夫という武者(実名不詳)。あるとき戦で敵に攻められ、命からがら逃れて初瀬山の奥に身を隠した。そこで蜂が蜘蛛の巣に絡め取られているのを見つけて哀れに思い、この蜂を助けてやった。恩義に感じた蜂が仲間を呼び集めて敵軍に襲い掛かり、おかげで大夫は敵軍を討ち取ることができた。
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