藤原信経 ふじわらののぶつね
- 式部の丞 しきぶのじょう
平安中期の官人。藤原為長の息子。
登場作品
『枕草子』
第99段 雨のうちはへ降るころ
一条天皇の文を運ぶお使いとして中宮定子のもとにやってきて、定子の返事を待っている間に清少納言とやりとりをする。清少納言から敷物の「せんぞく」と足を洗う「洗足」をかけたシャレを言われたり、かつて村上天皇の中宮安子に仕えた「えぬたき」という侍女が言ったというシャレの話を聞かされたりしたが、大して称賛もしなかった。すると、仕返しとばかりに歌題を大量に出され、歌をたくさん詠まされるハメになる。これに恐れをなして、定子の返事が出てきたのを潮に逃げ帰る。内心では字が下手なことも気にしていたらしい。
別のときには、調度を作るための図面に書いた字を清少納言から悪筆だとバカにされてからかわれたので、腹を立てるという出来事もあった。