殷富門院大輔 いんぷもんいんのたいふ

生没年不詳。平安時代後期の歌人。後白河天皇の皇女・殷富門院に仕えた。歌人として長く活躍し、西行藤原定家らとも交流があったといわれる。

登場作品

『小倉百人一首』

90 見せばやな 雄島のあまの 袖だにも 濡れにぞ濡れし 色はかはらず

<あなたに見せてあげたいの。流した血の涙で色が変わった私の袖の色。潮をかぶって濡れに濡れる雄島の漁師の袖さえも、色は変わらないというのに>

千載和歌集巻第14恋歌4・884より。苦しみや悲しみがあまりにも激しいと、血の涙が流れるといわれる。ここでは恋の苦しみで血の涙を流し、衣の袖の色が変わったと詠んでいる。雄島は宮城県の歌枕・松島湾にある島のひとつ。