西行 さいぎょう
- 西行法師 さいぎょうほうし
1118~1190。平安時代後期~鎌倉時代の歌人。鳥羽上皇に仕える武士だったが、23歳で出家した。諸国を旅しながら和歌を詠む生き方が後世の人々に影響を与えた。『新古今和歌集』の代表的な歌人で『山家集』をはじめとした歌集が多くある
登場作品
『小倉百人一首』
86 なげけとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな
<月が私に「嘆け」と言って、もの思いをさせるのだろうか。いや、違うのだ。本当は恋のせいなのだ。それなのに、月のせいであるかのように、恨めしげに流れる私の涙。>
『千載和歌集』巻15恋・929より。詞書に「月前恋といへる心をよむ」とある。「かこち顔」は、何かのせいにして恨めしげに嘆く顔のこと。月の美しさが、恋のもの思いを増幅させたのだろうか。