文屋康秀 ふんやのやすひで

生没年不詳。平安時代前期の歌人。六歌仙の一人。文屋朝康の父。小野小町と親密であったといわれる。

登場作品

『小倉百人一首』

22 吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐といふらむ

<吹いた先から秋の草木がしおれていくから、なるほど、荒々しく吹き下ろす「山風」を「嵐」と書いて「荒らし」というんだね>

古今和歌集巻第5秋歌下・249より。「山」と「風」を合わせると、「嵐」という漢字になるという言葉遊びの歌。「むべ」は「うべ」ともいい、「なるほど。いかにも」と同意する意味の副詞である。