文屋朝康 ふんやのあさやす

生没年不詳。平安時代前期の歌人。文屋康秀の息子。

登場作品

『小倉百人一首』

37 しらつゆに 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける

<秋の野原では風がしきりに吹いて、草の葉に置いた白露がきらきらと散っていく。そのさまはまるで、糸に通さぬ白玉が散らばっていくかのよう>

後撰和歌集巻第6秋歌中・308より。「玉」は真珠のことといわれる。草葉から落ちる露の美しさを、美しい真珠にたとえて詠んだ歌。