生没年不詳。平安時代前期の歌人。文屋康秀の息子。
<秋の野原では風がしきりに吹いて、草の葉に置いた白露がきらきらと散っていく。そのさまはまるで、糸に通さぬ白玉が散らばっていくかのよう> 後撰和歌集巻第6秋歌中・308より。「玉」は真珠のことといわれる。草葉から落ちる露の美しさを、美しい真珠にたとえて詠んだ歌。