登場作品
『十訓抄』
第1 人に恵を施すべき事 1-41
周防国の役人の子だったが、利発な様子を源顕房の家人に見出されて引き取られた。
ある日、主人とともに顕房邸に参ったときに、庭の梅の実を落とそうと、ほかの供人たちといっしょに小石を投げたことがあった。それを見て顕房が怒り、「あの者たちを捕まえろ」と言った。他の者は逃げ出したのに、盛重だけは何事もなかったように振る舞って、ゆっくり立ち去ろうとした。その肝の座った姿が目に留まり、今度は顕房に仕えることになった。
やがて成長し、優秀な従者となった。あるとき顕房から「頭の白い烏がいるようだ」と試された。これに対して「おっしゃる通りです」と答えた。その堂々とした返答ぶりを評価され、ついに白河院に仕えることになったのだった。
関連する人物 源顕房
