源俊頼 みなもとのとしより

  • 源俊頼朝臣 みなもとのとしよりあそん

1055~1129。平安時代後期の歌人。源経信の息子。俊恵の父。官人としての出世には恵まれなかったが、歌人として重んじられ、『金葉和歌集』の撰者を務めた。それまでの和歌にない歌題や歌詞を開拓した。著書に『俊頼髄脳』がある。

登場作品

『小倉百人一首』

74 憂かりける 人をはつせの 山おろしよ はげしかれとは 祈らぬものを

<長谷寺の観音様に、つれないあの人が振り向いてほしいと祈ったんだ。初瀬山の山おろしの風よ。あなたの激しさは、まるであの人のつれなさのよう。そんなふうに、いっそうつれないあの人になってほしいなんて、ちっとも祈ってはいないのに>

千載和歌集巻第12恋歌2・707より。神仏に祈っても実ることのない恋という題で詠んだ歌という。長谷寺は奈良県にある寺で、十一面観音を本尊とする。古くから多くの人々の信仰を集めた。