光孝天皇 こうこうてんのう

830~887。平安時代前期の天皇。在位884~887。陽成天皇が廃されたあと、藤原基経に推されて即位した。基経を信頼し、政治を執るうえで、まず基経に相談するようにさせて物事を進めた。これによって基経は実質的な関白となった。

登場作品

『小倉百人一首』

15 君がため 春の野に出でて 若菜つむ わが衣手に 雪は降りつつ

<あなたのために、春まだ浅い野に出て若菜を摘む。そんな私の衣の袖に、雪がちらちらと降りかかってくるよ>

古今和歌集巻1春歌上・21より。親王時代に、ある人に若菜を贈ったときに詠んだ歌という。若菜は早春に生え出たばかりの食用の野草。羹(あつもの=温かい汁物)にして食べたといわれる。