在原行平 ありわらのゆきひら
- 中納言行平 ちゅうなごんゆきひら
818~893。平安時代前期の歌人。阿保親王(平城天皇の皇子)の息子。在原業平の兄。臣籍に入り、在原の姓を得た。貴族の子弟のための学校を開いた。官人としても優れた人物であったといわれる。須磨(兵庫県)に流された時期があり、このときの歌が『源氏物語』「須磨」巻のもとになったといわれる。
登場作品
『小倉百人一首』
16 たち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば いま帰り来む
<ここでお別れして、私は因幡国に参ります。でも、かの地の稲葉山の峰に生えている松の木のその名のように、あなたが私を待つと聞いたなら、すぐに帰ってまいりましょう>
古今和歌集巻8離別歌・365より。行平が因幡守として赴任する際に、親しい人たちとの別れを惜しんで詠んだ歌。「いなば」は「因幡」と「往なば」、「まつ」は「松」と「待つ」の掛詞。