源実朝 みなもとのさねとも

  • 鎌倉右大臣 かまくらのうだいじん

1192~1219。鎌倉幕府の第3代将軍。源頼朝と北条政子の息子。兄は第2代将軍・頼家。頼家が追放されたのち、12歳で将軍となった。しかし、実権は北条氏が握っており、自身に政治的な力はなかった。京都の文化に憧れ、藤原定家に学んで和歌の上達に励んで『金槐和歌集』を残した。28歳で右大臣にのぼり、鶴岡八幡宮に参詣した際、甥(頼家の息子)の公卿に暗殺された。

登場作品

『小倉百人一首』

93 世の中は 常にもがもな 渚こぐ あまの小舟の 綱手かなしも

<世の中は永遠に変わらずにあってほしいな。渚をこぐ漁師の小舟が綱で引かれていく……この世の中のそんな何気ないありさまに、やたらと心ひかれるんだ。>

世の中の無常に思いをはせ、穏やかな世が永遠に続くことを願った歌という。実朝の和歌の師であった藤原定家は、自身が選者を務めた『新勅撰和歌集』にこの歌を入れた。