藤原朝忠 ふじわらのあさただ

  • 中納言朝忠 ちゅうなどんあさただ

910~966。平安時代中期の歌人。三十六歌仙の一人。藤原定方の息子。笛の一種である笙の名手でもあったといわれる。

登場作品

『小倉百人一首』

44 逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし

<もうあの人に逢わなければいいんだ。逢わずにいればかえって、あの人のつれなさ、自分の苦しみ、恨みがましく抱えていなくてすむのに>

拾遺和歌集巻第11恋1・678より。「なかなかに」は「かえって」という意味。恋人に逢わずにいれば苦しまなくてすむのに逢うから苦しんでしまうと煩悶する思いを詠んでいる。