式子内親王 しきしないしんのう

?~1201。「しょくしないしんのう」とも。平安時代後期~鎌倉時代の歌人。後白河天皇の皇女。兄には以仁王がいる。賀茂神社で斎院を務めた。藤原俊成に和歌を学んだ。

登場作品

『小倉百人一首』

89 玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする

<私の命。絶えてしまうなら絶えてしまうがいい。このまま生き長らえていたならば、思いを秘める力が弱ってしまうから。恋心がこぼれてしまうから>

新古今和歌集巻第13恋歌1・1034より。「玉の緒」は「魂を肉体につなぎとめる紐」という意味で、「命」を表す言葉。「…もぞ(+連体形)」は「…すると困る、…するといけない」という意味。恋心を決して表に出すまい、でも、その苦しさにいつか耐えきれなくなるかもしれないという切迫した思いにあふれた歌。