登場作品
『宇治拾遺物語』
巻8-4 102話 敏行朝臣の事
友人の藤原敏行が夢に現れ、「『四巻経』を書写しなかった罪で地獄の責め苦を受けている。三井寺の僧に頼んで書写供養してほしい」と泣き叫んだ。哀れに思って翌朝すぐに三井寺に行き、敏行の言ったとおりにすると、再び敏行が夢に現れ、少し苦しみが軽くなったと語った。
関連する人物 藤原敏行
『小倉百人一首』
33 久方の 光のどけき 春の日に しづこころなく 花の散るらむ
<ほこほことした光が差して、のどかなのんびりした春の日だっていうのに、桜の花はちっとも落ち着かずに、なんであわただしく散ってしまうのかい?>
古今和歌集巻第2春歌下・84より。「ひさかたの」は空・光・月など、天に関わるものに掛かる枕詞。「しづこころ」は「落ち着いた気持ち」という意味。春ののどかさとは対照的に、桜は散り急いでいく。そんな桜を惜しむ気持ちを詠んでいる。