藤原師長 ふじわらのもろなが
- 妙音院入道太政大臣 みょうおんいんのにゅうどうだいじょうだいじん
1138~1192。平安時代後期の公卿。藤原頼長の息子。保元の乱のとき、父に坐して土佐国に流された。その後、京に戻り、累進して太政大臣まで至るも、今度は平清盛によって尾張国に流された。配流先で出家。このときものちに許されて京への帰還を果たした。音曲の際に優れ、特に琵琶と筝の名手だったという。
登場作品
『十訓抄』
第1 人に恵を施すべき事 1-25
配流されていた土佐から京に戻ったとき、源資賢が訪ねてきて、土佐での様子を尋ねた。そこで、後漢の人・韓康のひっそりとした暮らしにまつわる漢詩の一節を詠じて答えとした。
同じ頃に、後白河法皇の御所に参上し、法皇から琵琶の演奏を求められた。そこで、「嘉皇恩」「還城楽」の2曲を奏した。
これらはどちらも師長の機転のすばらしさを表す振る舞いだった。
関連する人物 源資賢