小野篁 おののたかむら
- 参議篁 さんぎたかむら
802~852。平安時代前期の漢詩人・歌人。博学の人物として知られる。遣唐副使に任じられるも、大使とけんかを起こして乗船を拒否。嵯峨上皇の怒りを買って、一時島流しになった。のちに許され、参議の位までのぼった。
登場作品
『宇治拾遺物語』
巻3-17 49話 小野篁、広才の事
嵯峨天皇から「無悪善」「子子子子子子子子子子子子」といったなぞなぞのような文句を「読め」と命じられるが、いずれも事もなげに読み解いて帝を満足させる。篁の学才の高さとともに、帝との関係の近しさがうかがえる。
関連する人物 嵯峨天皇
『小倉百人一首』
11 わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ 海人のつり舟
<広い広い大海原を、たくさんの島々を目指して船出していったと、都にいるあの人に伝えておくれ。釣り船の漁師たちよ>
古今和歌集巻第9羇旅歌・407より。遣唐副使に任じられながら乗船を拒否して罰を受け、隠岐島(島根県)に流されるときの歌。都にいる親しい人(恋人)に贈ったもの。