聖宝 しょうぼう

  • 聖宝僧正 じかくだいし

832~909。平安時代前期の僧侶。醍醐寺(京都府)を開いた。

登場作品

『宇治拾遺物語』

巻12-8 144話 聖宝僧正、一条大路を渡る事

東大寺の上役の僧に、裕福だがどケチな者がいた。自分の財をびた一文、他人に施そうとしない。若い聖宝はこれに憤り、「あなたが言った通りのことをするから、ほかの僧に施しをしてください」と賭けをもちかけた。すると上役の僧は、「あなたがふんどし一丁で干し鮭を太刀のように差し、やせた雌牛に乗って大声で名乗りを上げながら一条大通りを通ったらやりましょう」と言った。上役僧は「まさかそんなことを本当にやるまい」と高をくくっていたが、聖宝はこの無理難題をやってのけ、欲深の上役僧に施しをさせることに、成功したのだった。