上覚 じょうかく

  • 上出雲寺別当 かみついずもでらのべっとう

伝不詳。

登場作品

『宇治拾遺物語』

巻13-8 168話 上出雲寺の別当、父の鯰に成たるを知ながら殺て食ふ事

出雲寺で別当を務めていた。先代の別当は父親だった。ある夜、夢に父親が現れ、「明後日の午後2時頃に強風が吹いて、この寺が倒れるだろう。わしは、1mほどの鯰になって、この寺の瓦の下にいる。どこにも行けずに苦しい思いをしているのだ。寺が倒れたら出てくるから、わしを賀茂川に放してくれ」と言った。翌々日の午後2時頃、果たして強風が吹き、寺は倒れてしまった。倒れた寺から大きな鯰が現れた。ところが上覚は、この鯰を殺してしまい、鍋にして食べ始めた。すると、鯰の骨がのどに刺さって死んでしまった。