皇嘉門院別当 こうかもんいんのべっとう
生没年不詳。平安時代後期の歌人。崇徳天皇の中宮皇嘉門院に仕えた。
登場作品
『小倉百人一首』
88 難波江の 芦のかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや 恋ひわたるべき
<難波の入り江に生い茂る葦の刈り根の短い一節。そのくらい短い、あなたとのゆきずりの一夜。そのためだけにこの身を尽くしてあなたのことを恋し続けなきゃいけないの?>
千載和歌集巻第13恋歌3・806より。藤原兼実邸で行われた歌合で「旅先での恋」という題で詠んだ歌という。「かりね」は「刈り根(刈り取った根)」と「仮寝(仮の契り)」の掛詞。葦の節と節の間を「よ」といい、「ひとよ」は、葦の「一節(ひとよ)」と「一夜」との掛詞になっている。「みをつくし」は「澪標」と書き、船が水路を進む際の目印として立てた杭。こちらも「身を尽くし」との掛詞。