柿本人麻呂 かきのもとのひとまろ

生没年不詳。飛鳥時代の歌人。詳しい経歴は不明だが、持統~文武天皇の時代に歌人として朝廷に仕えたといわれる。『万葉集』の代表的な歌人で、後世、歌聖と呼ばれ、あがめられた

登場作品

『小倉百人一首』

3 あしひきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む

<山鳥の垂れ下がった長い尾のように長い長い秋の夜を、ひとりぼっちで寝るのかな>

新古今和歌集巻13恋3・778より。万葉集巻11・2802の歌の注にこの「山鳥の…」の歌が引かれているが、そこには作者が人麻呂である、といった言及はない。
山鳥はキジの仲間の鳥で、長い尾羽を持っている。夜になるとオスとメスが別々の峰に分かれて寝るといわれていたことから、ひとりきりで夜を過ごすことを象徴していた。