源重之 みなもとのしげゆき

生没年不詳。平安時代中期の歌人。三十六歌仙の一人。各地の役人を歴任した。冷泉天皇が皇太子だった時代に百首の和歌を献上し、これが最古の百首歌といわれる。

登場作品

『小倉百人一首』

48 風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ くだけてものを 思ふころかな

<風があんまり激しいから、波が岩に打ち当たっては自分だけ砕け散っていく。あの岩は、まるでつれない君。波は僕。君にぶち当たっては砕け散り、思い悩む今日この頃>

詞花和歌集巻第7恋上・210より。思いを伝えても心動かさぬ女性を岩に、自分自身をその岩に当たっては砕け散る波にたとえて、思いの届かない苦しみを詠んだ歌。「風をいたみ」の「み」は、「~ので、~から」のように、原因や理由を表す接尾語である。