日蔵 にちぞう

  • 日蔵上人 にちぞうしょうにん
  • 日蔵のきみ にちぞうのきみ

905?~985? 平安時代中期の僧侶。断食修行中に命を落としたが、浄土や地獄を巡って生き返ったという逸話をもっている。

登場作品

『宇治拾遺物語』

巻11-10 134話 日蔵上人、吉野山にて鬼に逢ふ事

吉野山の奥で修行をしていたときに、身の丈2mを超え、紺青の体の色、火のように赤い髪の鬼に出会った。鬼は、「自分は4、500年も昔の者だが、恨みを残して死んで鬼となり、仇の子孫を一人残らずとり殺した。もはやとり殺すべき相手もいなくなったが、恨みつらみの心が消えることはなく苦しい」と話して泣いた。そこで気の毒に思って供養をした。