経頼 つねより

伝不詳。力士。

登場作品

『宇治拾遺物語』

巻14-3 177話 経頼、蛇に逢ふ事

夏場に川辺で涼んでいると、淵から蛇が顔を出して、じっと見つめてきた。蛇はいったん水中にひっこんだが、今度は向こう岸の木に頭の方を巻き付け、尾を経頼の足に何重も巻き付けてきた。そして、川の中に経頼を引きずり込もうと引っ張り始めた。ものすごい力だったが、踏ん張って耐えていると、蛇のほうがぶつりと切れてしまった。その太いことと言ったら、直径30cmはあろうかというほどだった。あとで人を集めて蛇が引っ張った強さを検証してみると、60人分くらいの力だったように思われた。