伝不詳。
仕えている侍に、真面目だが、大変貧しい者がいた。雪の降る日に一重の衣でぶるぶる震えながら掃除をしているので、「『裸でいること』という題で歌を詠め」と命じた。すると、見事に詠んでみせたので、褒美に衣を与えた。その後、この侍の行方がわからなくなったので尋ねてみると、もらった衣をお布施として寺に持っていき、出家したということだった。