持統天皇 じとうてんのう

645~702。飛鳥時代の天皇。在位690~697。天智天皇の皇女。天武天皇の后。大海人皇子時代の天武が吉野(奈良県)に身を隠したときには夫につき従い、壬申の乱を経て、夫が皇位についたあとには政治を助けた。夫亡きあと、皇太子・草壁皇子とともに政治を執り、草壁の病死後、正式に即位した。さまざまな制度を整備し、藤原京を建てるなどして国家体制の確立に努めた。

登場作品

『小倉百人一首』

2 春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山

<春が過ぎ、夏がやってきたらしいのです。夏になると白い衣を干すと言い伝えられるあの天の香具山に、そのとおり白い衣が干されているのですから>

新古今和歌集夏歌・175より。万葉集所収「春過ぎて夏来るらし白たへの衣干したり天の香具山」が、もとの歌。天の香具山は畝傍山・耳成山とともに大和三山として神聖視され、歌枕でもあった。